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東方三博士の礼拝 (Adorazione dei Magi) 1518年頃
84×108cm | Oil on canvas | ブレラ美術館(ミラノ) |
コレッジョ20代半ばの作品とされる『東方三博士の礼拝』。マンレィーニャ、ジョルジョーネら先人の影響を感じさせる本作の主題は、未来の王となるイエスの降誕に際し、欧州、アジア、アフリカの三博士が星に導かれ、幼子イエスを訪れて礼拝した場面を描く、典型的な≪東方三博士の礼拝≫であるが、『聖母子(カンポリの聖母)』からみられる、硬質的な細密から自然で丸みを帯び始める質感緩やかな稜線のぼかし、反射する光の輝きなど随所にコレッジョらしい表現が見られる。聖母を始め、登場人物の自然な動きや仕草、視線などの微妙な表現は、この頃の作品を中心に鮮やかな進化を遂げた。本作のジョルジョーネらヴェネツィア派を思わせる豊かな色彩はコレッジョの大きな特徴のひとつである。
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