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聖セバスティアヌスの聖母 1525-1526年頃
(Madonna del san Sebastiano)
265×161cm | Oil on panel | ドレスデン国立絵画館 |
エミリア派の画家コレッジョが手がけた代表的な祭壇画のひとつ『聖セバスティアヌスの聖母』。縦長の画面に、天上の威光に包まれ光臨する聖母マリアと幼子イエスの姿を、うねるように配された躍動に溢れる諸聖人らによって支える、ヴェネツィア派と、マリエリスムの特徴をよく示した本作は、モデナのサン・セバスティアーノ聖堂信者会のために制作された。雲の上から、踊るような天使たちに囲まれ降臨する聖母子の姿は、コレッジョの特徴をよく表しており、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロにも通じる豊かな表情をしている。また、それとは対照的に画面下部に配される聖セバスティアヌス、モデナの守護聖人・聖ゲミニアヌス、聖ロクスの三人の緊張感と運動性は、深い陰影によって、より強調するなど、画家としての高い成熟度を示している。
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