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受胎告知 (Annunciazione) 1512年頃
185×174.5cm | 油彩・板 | ピッティ美術館(フィレンツェ) |
アンドレア・デル・サルトの代表作『受胎告知』。本作は同じくアンドレア・デル・サルトの代表作である『ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)』、『聖三位一体についての議論』とともに、サン・ガッロ聖堂祭壇画として制作されたが、1529年、同聖堂が取り壊されると、サン・ヤコポ・トラ・フォッシオ聖堂へ移され、その後、メディチ家の別荘(ポッジョ・インペリアーレ)、ウフィツィ美術館(フィレンツェ)を経て、現在のピッティ美術館へと収蔵された。弟子であったポントルモの筆も入っていると研究されている。古典的な人物像に、やや陰鬱な印象の表情を浮かべる表現はアンドレア・デル・サルトの大きな特徴のひとつ。また本作は画面左に聖母マリア、右に聖告する大天使ガブリエルを配する、やや珍しい構図を取っている。深い感情の表現が見事な大天使ガブリエルは、純潔の象徴である百合の花を手にし、神の意志である聖胎を告げている。また、天使たちの頭上には父なる神の三位≪聖霊≫が描かれた。
関連:ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)
関連:聖三位一体についての議論
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