2009/11/06掲載
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ソクラテスの死(Mort de Socrate)1787年129.5×196.2cm | 油彩・画布 | メトロポリタン美術館
演説を終え毒杯に手を伸ばすソクラテスの崇高な姿。当時の美術愛好家トリュデーヌ・ド・ラ・サブリエールの依頼により1787年に制作され、同年のサロン出品時には大きな反響を呼んだ本作は弟子プラトンが綴った対話集などに記される有名な逸話≪ソクラテスの死≫を主題とした作品である。
【毒杯に手を伸ばすソクラテスの姿】
目頭を押さえながら毒杯を手渡す牢番。画面左側には目頭を押さえ悔し涙を隠しつつソクラテスへ毒杯を手渡す牢番と、ソクラテスに背を向け瞑想するプラトンが前景に配され、後景にはソクラテス自身が送り出したとされる縁者が部屋を出てゆく姿が描き込まれている。
【毒杯を手渡す牢番】
師との別れを悲しむ弟子たちの姿。本作の主題選定に関しては様々に意見が出されているも、現在では当時の指導者らが犯していた不正に対する批判的精神が込められていると解釈される傾向にある。
【師との別れを悲しむ弟子たちの姿】 |