Description of a work (作品の解説)
2010/06/08掲載
Work figure (作品図)
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ラファエロとラ・フォルナリーナ


(Raphaël et la Fornarina) 1811-12年
64.7×53cm | 油彩・画布 | フォッグ美術館

19世紀フランス新古典主義最後の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルの歴史的肖像画作品『ラファエロとラ・フォルナリーナ』。スイスの裕福な銀行家プルタレス=ゴルジエ伯爵の依頼により、画家が1806年から滞在していたローマの地で制作をおこない1814年のサロンへも出品されたことが確認されている本作は、ルネサンス期に活躍した偉大なる画家ラファエロ・サンツィオと彼の永遠の恋人(と考えられる)ラ・フォルナリーナ(パン屋の娘を意味する愛称。本名はマルゲリータ・ルティとされる)を主題に≪ラファエロの生涯≫描いた作品で、当時流行していた過去の画家の伝記に基づいた歴史的肖像画の中の1点でもある。画面中央に配されるラファエロはラ・フォルナリーナを両腕でしっかりと抱き寄せながらもその顔は画面右側に配された製作途中の画布へと向けられている。この画布に描かれるのは名高い『若い婦人の肖像(ラ・フォルナリーナ)』であり、ここには現実(抱き寄せるラ・フォルナリーナ)から理想(絵画上のラ・フォルナリーナ)への芸術的昇華の意図が指摘されている。また画面奥右側にはラファエロ屈指の傑作として知られる『小椅子の聖母』が配されており、アングルのラファエロ、そして『小椅子の聖母』に対する深い敬意の念を感じることができると同時に同作品からの着想も暗示している。なおラファエロとラ・フォルナリーナを画題とした作品は現在までに複数点知られているが、本作はその中で最も早い時期に制作されたと考えられている。


【全体図】
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絵画上のラ・フォルナリーナを見つめるラファエロ。画家が1806年から滞在していたローマの地で制作をおこない1814年のサロンへも出品されたことが確認されている本作は、ルネサンス期に活躍した偉大なる画家ラファエロ・サンツィオと彼の恋人ラ・フォルナリーナを主題に≪ラファエロの生涯≫描いた作品の中の1点でである。



【絵画を見つめるラファエロ】
観る者へと視線を向けるラ・フォルナリーナ。画面奥右側にはラファエロ屈指の傑作として知られる『小椅子の聖母』が配されており、アングルのラファエロ、そして『小椅子の聖母』に対する深い敬意の念を感じることができると同時に同作品からの着想も暗示している。



【視線を向けるラ・フォルナリーナ】
現実から理想への芸術的昇華を暗示する絵画上のラ・フォルナリーナ。画面中央に配されるラファエロはラ・フォルナリーナを両腕でしっかりと抱き寄せながらもその顔は画面右側に配された製作途中の画布へと向けられている。この画布に描かれるのは名高い『若い婦人の肖像(ラ・フォルナリーナ)』であり、ここには現実(抱き寄せるラ・フォルナリーナ)から理想(絵画上のラ・フォルナリーナ)への芸術的昇華の意図が指摘されている。



【現実から理想への芸術的昇華を暗示】

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