2010/05/04掲載
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スフィンクスの謎を解くオイディプス(Œdipe expliquant l'énigme du sphinx) 1808年 189×144cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
答えを言い当てるオイディプス。ローマ賞大賞を受賞した数年後に訪れたローマ留学での課題制作義務の最初の作品として制作、提出された作品であり、後に自ら手を加え1827年のサロンへと出品された本作はオイディプスの最も有名な逸話のひとつ≪オイディプスとスフィンクス≫を主題にした作品である。
【答えを言い当てるオイディプス】
謎を問いかける怪物スフィンクス。極めて端整で古代彫刻を連想させる男性的な力強さを感じさせるこの男性裸体像であるが、複雑なしたい構成を用い、さらにほぼ真横から当てられる光彩設計により身体は平面化し、あたかも浮き彫りのような印象すら受ける。
【謎を問いかける怪物スフィンクス】
謎に答えられず死した人々の白骨。本作は1808年にパリの王立アカデミーへと送られるものの、平坦で厳格な画面の構成と表現に審査委員会は不満を述べたとされるが、本作の独創的な空間表現には近代の画家たちに多大な影響を与えた。
【謎に答えられず死した人々の白骨】 |