Description of a work (作品の解説)
2004/09/11掲載
Work figure (作品図)
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アテネの学堂

 (Scuola d'Atene) 1509-10年
814×577cm | フレスコ | バチカン宮 -署名の間-

プラトン、アリストテレス、ソクラテス、ピタゴラスなど古代ギリシャの偉人・哲学者を一面に集約し、人類の英知を壮大に表現した、ヴァティカン芸術の中でも屈指の名作『アテネの学堂』。1508年、ラファエロは教皇ユリウス2世の命により、ヴァティカン宮の「署名の間」「ヘリオドロスの間」「火災の間」などの装飾を手がけたが、この『アテネの学堂』は同時期に制作されたミケランジェロシスティーナ礼拝堂天井画と共に、盛期ルネサンス古典様式の最高傑作のひとつとして知られている。完璧な遠近法の背景の中に描かれた画面中央の人物は、左がプラトン、右がアリストテレスと考えられている。ルネサンス芸術が、過去、最も偉大であった古代ギリシャ時代と双璧をなすものであることを表現した本作の主人公とも云える両者のモデルは、長い間レオナルド・ダ・ヴィンチ(プラトン)とミケランジェロ(アリストテレス)であるとされてきたが、現在ではミケランジェロに敬意を示し、ラファエロが描き加えたヘラクレイトスの姿とする説や、他の人物とは明らかに異なるヘラクレイトスの筆触から、レオナルド・ダ・ヴィンチと対立していたとされるミケランジェロが、本作でレオナルド(プラトン)と隣り合い意見を交わす己(アリストテレス)姿に激昂し、自ら描き加えたという説が有力視されている。なお画面中央より少し右に立つ、黒い帽子をかむり、じっとこちらを見つめている人物はラファエロ自身で、この仕事(依頼)が、そして己がルネサンス芸術において、どのような意味を持つか理解していたからこそ、自らの姿をそのままに描いたと考えられている(隣は友人であったイル・ソドマ)。


【全体図】
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完璧な遠近法の背景の中に描かれた画面中央の人物は、左がプラトン、右がアリストテレス。ルネサンス芸術が、過去、最も偉大であった古代ギリシャ時代と双璧をなすものであることを表現した本作の主人公とも云える両者のモデルは、長い間レオナルド・ダ・ヴィンチ(プラトン)とミケランジェロ(アリストテレス)であるとされてきたが、現在ではミケランジェロはヘラクレイスト(次項目参照)だとされている。



【過去と現在を融合させた偉人たち】
ミケランジェロに敬意を示し、ラファエロが描き加えたヘラクレイトスの姿。他の人物とは明らかにタッチの異なるこのヘラクレイトスは、レオナルド・ダ・ヴィンチと対立していたとされるミケランジェロが、本作でレオナルド(プラトン)と隣り合い意見を交わす己(アリストテレス)姿に激昂し、自ら描き加えたという説もある。



【ヘラクレイトスの姿】
画面中央より少し右に立つ、黒い帽子をかむり、じっとこちらを見つめている人物はラファエロ自身。この仕事が、そして己がルネサンス芸術において、どのような意味を持つか理解していたからこそ、自らの姿をそのままに描いた。隣は友人であったイル・ソドマ。



【こちらを見つめるラファエロ】

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