2008/05/24掲載
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読書する女(読書する娘)(Jeume liseuse) 1776年頃82×65cm | 油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー 微かにあどけなさの残る端整な横顔。本作のモデルに関しては一般的に不明とされるものの、一部の研究者からはフラゴナールの妻の妹で画家の弟子(そして愛人)でもあったマルグリット・ジェラールとする説も唱えられている。
【あどけなさの残る端整な横顔】 豊かな量感によって描かれる女の姿態。しばしば印象派的と喩えられる本作の技巧的表現や画題への斬新なアプローチには注目すべき点は多く、豊かな量感によって描かれる女の姿態は余計な力みを一切感じさせず、やや脱力的に扱われながらも、全体としては気品の高さを強く感じさせる。
【豊かな量感によって描かれる女の姿態】
若い女が集中して読む書物。素早く流れるかのような軽快でやや大ぶりの筆触によって描写される若い女の瑞々しい肌や髪の毛の表現や、身に着ける黄色の衣服と暗深な青緑色の背景との色彩・明暗的対比は特に優れた出来栄えを示している。
【若い女が集中して読む書物】 |