2008/09/25掲載
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自画像(Self-portrait) 1790年100×81cm | 油彩・画布 | ウフェツィ美術館(フィレンツェ) 関連:1783年制作 『麦藁帽子を被った自画像』
柔らかい微笑みを携える画家自身の姿。その美貌でも名を馳せたよう極めて美しく端整な顔立ちで描かれるヴィジェ=ルブランの表情は、ロココ様式による肖像画の典型であった軽い微笑みを浮かべており、観る者と柔らかく対峙している。
【柔らかい微笑みを携える画家の姿】
王妃マリー・アントワネットの姿を描くヴィジェ=ルブラン。1789年に起こったフランス革命から逃れる為にイタリアへと旅立ったヴィジェ=ルブランが同地の大公の依頼により制作した本作は、王妃マリー・アントワネットの肖像画を手がける自身の姿を描いた≪自画像≫作品である。
【王妃の姿を描くヴィジェ=ルブラン】
左手に握られる多くの絵筆と調色板。全体としてはアンソニー・ヴァン・ダイク風の古典的構図・構成ながら、生命力を感じさせる生き生きとした明瞭な色彩と、細部まで入念に描写された丁寧な筆触処理によって、ロココ独特の豊潤な香りと雰囲気を見事に表現している。
【左手に握られる多くの絵筆と調色板】 |