2008/08/16掲載
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ジャボットを着た自画像(Self-portrait) 1751年頃64×53cm | パステル・紙 | ピカルディー美術館(アミアン) 揺るぎない自信に満ち溢れた画家の表情。本作中で最も観る者の印象に残る、自信に満ち溢れたかのような得意気なラ・トゥールの表情は、18世紀フランスにおけるパステル画の第一人者としてのみならず、ひとりの芸術家(画家)としての確固たる信念と、揺るぎない己の自信を自ら表しているようであり、不思議と嫌味無く観る者を強く惹きつける。
【揺るぎない自信に満ち溢れた表情】 優美で流行的なジャボット(レースの飾り襞の付いた衣服)を身に着けたラ・トゥールの姿。本作は1751年頃に制作されたと推測されているモーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールの自画像作品で、画家はその生涯で数多くの自画像を手がけているが、本作はその中でも最も完成度と知名度が高い作品でもある。
【ジャボットを身に着けた画家の姿】 軽快でありながらも適度に濃密さを感じさせる質感表現。繊細な明暗対比や色彩の微妙な変化、基本的には軽快でありながらも適度に濃密さを感じさせる各箇所の質感表現などは画家の卓越した技量によって示されたパステルの魅力そのものである。
【軽快さと濃密さを同時に感じさせる表現】 |