Description of a work (作品の解説)
2009/05/20掲載
Work figure (作品図)
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ドミニコ会の三聖人

 (Santi domenicani)
1737-38年 | 345×172cm | 油彩・画布
サンタ・マリア・デル・ロザリオ聖堂(ヴェネツィア)

18世紀イタリアの巨匠ジョヴァンニ・バティスタ・ピアツェッタ最盛期の傑作『ドミニコ会の三聖人(聖ウィンケンティウス・フェレリウス、聖ヒュアキントゥス、聖ルドヴィクス・ベルトランドゥス)』。ドメニコ修道会からの依頼で、ヴェネツィアのサンタ・マリア・デル・ロザリオ聖堂(ジェズアーティ聖堂)の祭壇画として制作された本作は、同会に所縁の深い3人の聖人を主題に描いた作品である。画面中央から下部へは、フランスやスペインなどで布教活動をおこなったバレンシア出身の宣教師聖ウィンケンティウス・フェレリウスを始め、聖ヒュアキントゥス、聖ルドヴィクス・ベルトランドゥスと、清貧・清廉潔白を重んじるドメニコ会の修道服を身に着けた聖人らが配され、画面上部へは身を捩じらせながら中空を舞う天使を描き込んでいる。3人の聖人たちは突如現れた父なる神の使いの姿に、驚き軽い戸惑いの表情や姿態を示しつつも、己を信仰を表すかのように真摯な眼差しを向けている。本作で最も注目すべき点は、大気感に溢れた空気的な光の表現と明るさが増した画面構成にある。数年前に手がけた『聖母被昇天』でも示される、ピアツェッタの闇派(テネブロージ)を脱却した軽快で明度の高い色彩やエネルギッシュで大胆な構造的人物描写、自由闊達な筆触はバロック的表現とロココ的表現におけるひとつの融合的昇華を見出すことができ、それは今も観る者を強く惹きつける。さらに本作においては水蒸気のように上昇する白煙の軽やかな薄塗り的表現や登場人物を包み込む湿潤性、色数こそ少ないものの3聖人の色分けされた修道服などに見られる多様的な色彩の変化なども特筆に値するものである。


【全体図】
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聖ウィンケンティウス・フェレリウスの姿。ドメニコ修道会からの依頼で、ヴェネツィアのサンタ・マリア・デル・ロザリオ聖堂(ジェズアーティ聖堂)の祭壇画として制作された本作は、同会に所縁の深い3人の聖人を主題に描いた作品である。



【聖ウィンケンティウス・フェレリウス】
聖ヒュアキントゥスの姿。画面中央から下部へは、フランスやスペインなどで布教活動をおこなったバレンシア出身の宣教師聖ウィンケンティウス・フェレリウスを始め、聖ヒュアキントゥス、聖ルドヴィクス・ベルトランドゥスと、清貧・清廉潔白を重んじるドメニコ会の修道服を身に着けた聖人らが配されている。



【聖ヒュアキントゥス】
聖ルドヴィクス・ベルトランドゥスの姿。ピアツェッタの闇派(テネブロージ)を脱却した軽快で明度の高い色彩やエネルギッシュで大胆な構造的人物描写、自由闊達な筆触はバロック的表現とロココ的表現におけるひとつの融合的昇華を見出すことができる。



【聖ルドヴィクス・ベルトランドゥス】

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