2008/05/05掲載
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聖母の教育(Educazione della Vergine)1732年 | 362×200cm | 油彩・画布 サンタ・マリア・デラ・ファーヴァ聖堂(ヴェネツィア) 関連:ピアツェッタ作 『聖フィリッポ・ネリに顕現した聖母マリア』
母アンナに教えを受ける幼き聖母マリアの姿。ヴェネツィアのサンタ・マリア・デラ・ファーヴァ聖堂の祭壇画として制作された本作の主題は、(聖母マリアの)母アンナが聖書を用いて幼き聖母マリアに読み書きを教える場面≪聖母の教育≫である。
【母アンナに教えを受ける幼き聖母マリア】
聖母マリアが指差す聖書の一場面。本作には同時代を代表する画家ジョヴァンニ・バティスタ・ピアツェッタの表現様式を踏襲しつつも、次第にその影響から離れ、独自の様式へと変貌してゆく画家の姿が示されている。
【聖母マリアが指差す聖書の一場面】
聖母マリアと母アンナの上部へ配される天使。画面の中で最も明るく強い光に照らされる聖母幼マリアの輝くような色彩や、演劇性と非現実的な叙情性は秀逸の出来栄えを示しており、画面上下に配される天使らの描写と共に観る者を魅了する。
【聖母マリアの上部へ配される天使】
絶妙に配色される豊かな色彩。本作の黄色・赤色・青色・緑色など色度の強い色の絶妙な配置こそ、画家の類稀な色彩感覚の表れであり、この特徴的な色彩表現は、その後の作品でより一層、花開いてゆくことになる。
【絶妙に配色される豊かな色彩】 |