2008/07/21掲載
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ジェルサンの看板(Enseigne de Gersaint) 1720年166×306cm | 油彩・画布 | シャルロッテンブルク城
木箱へ丁寧に片付けられる国王ルイ14世の肖像画。ジェルサンによる伝説的な言い伝えによると、1720年の秋から翌1721年までの間の8日間で制作されたとされる本作ではあるが、何らかの理由により僅か2週間ほどで別の看板と入れ替えられたことが知られている。
【片付けられる国王ルイ14世の肖像画】
若い女性を帳場の方へと誘う男。一部の研究者からは画面左側の薄桃色のドレスを身に着けた若い婦人(顧客)を導く男をヴァトー自身と、画面右側の楕円形の絵画を勧める画商を依頼主ジェルサンと、画面右端の帳場の裏で小品を進める女性をジェルサンの妻とする解釈が唱えられている。
【若い女性を帳場の方へと誘う男】 ロココ的な裸婦が多数描かれている楕円形の絵画を見定める身なりの良い顧客。画面の中央から2画面で構成される本作では、絵画を見定める客とそれを勧める画商の様子が描かれており、その内容は画廊の看板という明確な目的の為の(ある種の)だまし絵的な展開が示されている。
【楕円形の絵画を見定める顧客】 当時の使用を示すアーチ状の痕跡。本作は友人であった画商ジェルサンがノートルダム橋沿いで経営していた画廊の入り口用の看板として制作された作品で、建物の正面(ファサード)がアーチの形であった為に、画面内にはそれに合わせたことを示すアーチ状の痕跡が確認できる。
【当時の使用を示すアーチ状の痕跡】 |