2010/06/10掲載
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ジャウールとハッサンの戦い(ジャウールとパシャ)(Le combat du Giaour et Hassan) 1835年 74×60cm | 油彩・画布 | プティ・パレ美術館(パリ)
死闘を尽くすジャウールとパシャ・ハッサン。本作は、英国ロマン主義文学を代表する詩人ジョージ・ゴードン・バイロン(第6代バイロン男爵卿)が1813年に刊行した、キリスト教文化とイスラム教文化の中で濃密な人間関係を描いた異国情緒溢れる詩篇集≪ジャウール(異端者)≫に着想を得て、同作の一場面を絵画化した作品である。
【死闘を尽くすジャウールとパシャ】 激しい戦いでなびく外套。画面中央から左側へ描かれる黒馬に跨りながら黒剣を突き立てんとするジャウールと、白馬に乗りながら短剣を振りかざすパシャ・ハッサンの複雑な構成による姿態はうねりにも似た類稀な躍動感と激しい運動性に溢れている。
【激しい戦いでなびく外套】 もつれ合う黒馬と白馬の色彩的対比。ジャウールが身に着ける赤色の薄胴着とパシャ・ハッサンが身に着ける緑色の薄胴着、さらに両者が跨る黒馬と白馬の色彩的対比が本作の造形的躍動に対して、より強調させる効果を生み出している。
【黒馬と白馬の色彩的対比】 |