Description of a work (作品の解説)
2010/07/07掲載
Work figure (作品図)
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ヴァイオリンを奏でるパガニーニ


(Paganini jouant le violon) 1831年
45×30.4cm | 油彩・画布 | フィリップス・コレクション

フランスロマン主義最大の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワを代表する肖像画作品『ヴァイオリンを奏でるパガニーニ』。ワシントンのフィリップス・コレクションに所蔵される本作は、同時代を代表するイタリア出身のロマン派のヴァイオリニスト兼作曲者で、そのあまりにも卓越したヴァイオリンの演奏技術から「悪魔に魂を売り渡して手に入れた」と実しやかに噂された≪ニコロ・パガニーニ≫が、1831年3月9日にパリのオペラ座でおこなった独奏会時の姿を描いた作品であると伝えられている。文学や音楽をこよなく愛していた教養高いドラクロワの趣味的傾倒を見出すことができる本作では、画面中へヴァイオリン演奏に没頭するパガニーニの姿のみが描かれる極めて簡素な画面構成が用いられているものの、そこに描き込まれるパガニーニの姿は、まさに悪魔に魂を売って手にしたと噂された程の演奏技術の迫真性に溢れている。また肌は浅黒く痩せこけていたと伝えられるパガニーニの風貌の印象を一見して連想することのできる、本作中の同氏の姿にはその音楽性と共に観る者を惹き付ける音楽家としての類稀な魅力も同時に感じることができる。これら演奏家の風貌は元より演奏的特徴すら(本作を)観る者に伝達するドラクロワの人物表現や、ドラマチック性や演奏家の性格を強く連想させる明暗対比の大きい場面表現は秀逸の出来栄えであり、今なお本作の目の前に立つ者を惹きつける。なおドラクロワは1838年にパガニーニと同様、当時の(そして今現在も)高名な音楽家(ピアニスト)であり友人でもあったフレデリック・フランソワ・ショパンの肖像も残している。


【全体図】
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演奏に没頭するパガニーニの姿。本作は同時代を代表するイタリア出身のロマン派のヴァイオリニスト兼作曲者で、そのあまりにも卓越したヴァイオリンの演奏技術から「悪魔に魂を売り渡して手に入れた」と実しやかに噂された≪ニコロ・パガニーニ≫が、1831年3月9日にパリのオペラ座でおこなった独奏会時の姿を描いた作品であると伝えられている。



【演奏に没頭するパガニーニ】
悪魔に魂を売って手にしたとも噂された卓越したパガニーニの演奏技術。本作では画面中へヴァイオリン演奏に没頭するパガニーニの姿のみが描かれる極めて簡素な画面構成が用いられているものの、そこに描き込まれるパガニーニの姿は、まさに悪魔に魂を売って手にしたと噂された程の演奏技術の迫真性に溢れている。



【卓越したパガニーニの演奏技術】
明暗対比の大きな光彩表現と簡素な場面描写。演奏家の風貌は元より演奏的特徴すら(本作を)観る者に伝達するドラクロワの人物表現や、ドラマチック性や演奏家の性格を強く連想させる明暗対比の大きい場面表現は秀逸の出来栄えであり、今なお本作の目の前に立つ者を惹きつける。



【明暗対比の大きな光彩表現】

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