Description of a work (作品の解説)
2004/09/01掲載
Work figure (作品図)
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民衆を率いる自由の女神−1830年7月28日


(La Liberté guidant le peuple - Le 28 juillet 1830)
1830年 | 259×325cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館

フランスロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワの代表作。当時国民の支持を失っていた国王シャルル10世が、言論の自由を奪う勅令を出したことが引き金となり1830年に起こった、所謂7月革命が題材の、画家自身が体験し描いた歴史画。その歴史的背景と価値を考慮し、フランス国家が買上げることになった。「自由」「平等」「博愛」の意味を持つ、後にフランス国旗となる青・白・赤色(トリコロールカラー)の旗を掲げる女神は、争いの暗い影に光をもたらす存在として描かれるほか、民衆の、死してなお自由を求める力強さは圧巻の一言である。これら表現は、何れも主情主義的な方法を用いられており、また民衆の同胞の死体を乗り越え前進するという、この革命でおこなられた自由を求める争いの凄惨さを、ドラクロワが克明に描いたことは特に注目すべき点である。7月革命後、王政復古で復活したルイ18世のブルボン朝は失脚し、ブルジョワジーの推すルイ・フィリップが王位に付くことになったほか、この革命は、ベルギー、イタリア、ポーランドなどの国々へ民族運動を発起させる切っ掛けを与えた。なおドラクロワが近代絵画の創始者の一人であるスペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤによる著名な戦争画『1808年5月2日、エジプト人親衛隊との戦闘』に強い衝撃を受けたことは、本作を制作する重要な要因となった。

関連:ゴヤ作 『1808年5月2日、エジプト人親衛隊との戦闘』


【全体図】
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「自由」「平等」「博愛」という意味を持つ、青・白・赤色(トリコロールカラー)のフランス国旗を掲げ、民衆を率いる女神。このドラクロワ屈指の名作は、その歴史的背景と価値を考慮し、フランス国家が買上げることになった。



【民衆を率いる女神】
女神に導かれ、武器を手に取り前進する民衆。王政復古で復活したルイ18世のブルボン朝は失脚し、ブルジョワジーの推すルイ・フィリップが王位に付くことになった。またこの革命は、ベルギー、イタリア、ポーランドなどの国々へ民族運動を発起させる切っ掛けを与えた。



【前進する民衆】
自由を手にする前に亡くなった人々。民衆はこの同胞の死体を乗り越え前進した。この革命でおこなられた自由を求める争いの凄惨さを、ドラクロワは克明に描いた。



【亡くなった人々】

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