2009/08/22掲載
■
ヘラクレスとレルネのヒュドラ(Hercule et l'Hydre de Lerne) 1876年頃 179.3×153cm | 油彩・画布 | シカゴ美術研究所 関連:モロー美術館所蔵 『ヘラクレスとレルネのヒュドラ』
毅然とヒュドラへ立ち向かうヘラクレスの姿。7年ぶりのサロン再出品作としても広く知られている本作は、ギリシア神話において最も有名な英雄のひとり≪ヘラクレス≫がおこなった12功業の2番目≪レルネーのヒュドラ≫を主題に制作された作品である。
【毅然とヒュドラへ立ち向かうヘラクレス】
鎌首を持ち上げヘラクレスへ敵意を示すヒュドラ。画面左側へは棍棒を手にし雄々しく逞しい肉体と強固な意志を感じさせる視線を毅然とヒュドラへ向けるヘラクレスが、画面右側には九つの鎌首を持ち上げ、ヘラクレスに明らかな敵意を示すヒュドラが配されており、両者の間では戦いの前の緊張感が漲っている。
【ヘラクレスへ敵意を示すヒュドラ】 ヒュドラの獰猛性と強大な力を連想させる死体。ヘラクレスとヒュドラの間の岩の谷間から見える、薄く雲のかかった太陽は張り詰めたこの場の空気と、時間的経過を観る者により強く印象付ける効果を生み出している。
【ヒュドラの獰猛性を連想させる死体】 |