2009/06/02掲載
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プロメテウス(Prométhée) 1868年205×122cm | 油彩・画布 | ギュスターヴ・モロー美術館
高貴な横顔のプロメテウス。1869年のサロン出品作である本作の画面中央やや左側へ配されるプロメテウスは真横を向け遥か彼方へと視線を向けるかのように、どこか一点を見つめており、この気高く、どこか不可侵性を感じさせるプロメテウスの横顔から本作は『キリストの顔を持つプロメテウス』とも呼ばれている。
【高貴な横顔のプロメテウス】
筋骨隆々とした逞しい肉体。先にも述べたよう本作に描かれるプロメテウスの横顔は一見しただけではティタン神族(巨人族)とは思えぬほど男性的な気品と端整な造形を示しており、逞しい肉体と相まって非常に甘美的な印象を観る者に与える。
【筋骨隆々とした逞しい肉体】
プロメテウスの肝臓を啄ばむ鷲。≪鎖につながれたプロメテウス≫を主題に制作された作品である本作の画面左側にはプロメテウスの肝臓を残酷に啄ばむ聖なる鷲が配されているものの、その姿は邪悪的な禿鷹を容易に連想することができる。
【プロメテウスの肝臓を啄ばむ鷲】 |