2010/02/08掲載
■
旅人オイディプス(死の前の平等)(Edipe voyageur (l'Égalité devant la mort)) 1888年頃 124×93cm | 油彩・画布 | メッツ美術館 杖を突きながら項垂れるオイディプスの姿。本作はギリシア神話に登場するテバイの住人を苦しめていた女性の頭部と獅子の肉体を持つ怪物スフィンクスを退治するためにテバイの岩山へと赴く英雄≪オイディプス≫を描いた作品である。
【杖を突きながら項垂れるオイディプス】
眼を見開くスフィンクスの姿。画面中央に配される怪物スフィンクスは祭壇的な供物台に陣取りながら右前足を聖遺物匣に乗せつつ、あたかも審判者のような様子でオイディプスへと視線を向けている。
【眼を見開くスフィンクス】 散乱する弱き魂の者たちの死体。本作の副題としてしばしば用いられる「死の前の平等」はおそらく、同時代の詩人ロベール・ド・モンテスキューの「死の前の平等を表すスフィンクス」に基づいていると考えられている。
【散乱する弱き魂の者たちの死体】 |