【ノアの物語(大洪水):創世記
5-10章】
◆ノアの箱舟
カインの子孫や、アダムとエヴァの末子セトの子孫が増えるにつれ、世の中には悪が蔓延していった。神は人間を創造したことを後悔し、地上に大雨による大洪水を起こして、全ての創造物を全滅させることを決意する。しかし神の敬虔な信者であるセトの子孫ノア(慰めの意)と、その家族だけは例外であった。神はノアに言う。「まもなく大洪水がおこる。糸杉で大きな船を作り、食料と、地上の動物達をひとつがい(清い動物「家畜」は七つがいずつ)乗せるのだ」、と。神に従順なノアは箱舟の建造に着手するが、人々は大洪水などおこらないと、ノアとその家族を馬鹿にした。そして数十年の歳月をかけ箱舟を建造すると、神の支持どおり地上の動物をひとつがいつづ箱舟に乗せ、自らも乗り込んだ後、ノアとその家族は箱舟の入り口を閉じた。
◆大洪水
その七日後、神は地上に大雨を降らし、四十日間もの大洪水をおこした。ノアの箱舟に乗る生き物以外の、地上全ての生物が絶滅した。百五十日後、水が引き、船はアララトの山の頂きに止まった。それから四十日が経過した後、ノアは鳥を放つ。一度目は箱舟の上を旋回するだけであった。二度目もまた、鳥は戻ってきた。七日後、三度目に放った鳥はオリーブの葉を咥えて戻ってきた。四度目に鳥を放つと、もう戻ってはこなかった。それは洪水が完全にひいたことを意味した。ノアは箱舟を降り、神に祭壇を捧げた。これに対し、空に虹を掛け神は応える。二度と全ての生物を滅ぼすことはないことの誓いとして。
◆ノアの泥酔
大洪水後、ノアは葡萄を栽培する農夫となった。ある時、ノアは裸で泥酔し寝てしまう。ノアの末子ハムにその姿を嘲笑されるが、兄のセムとヤペテが父の裸を見ないように、顔を背けてノアの身体を着物で覆った。酔いから覚め、嘲笑されたことを知ったノアは末子ハムの息子カナンに、兄セムとヤペテの奴隷として仕えるよう呪いをかけた。
■アトリビュート: |