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フランシスコ・リバルタ Francisco Ribalta
1565-1628 | スペイン | バロック・カラヴァジスム
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主にバレンシア県で活躍したスペインにおけるカラヴァジスムの始祖的存在の画家。カラヴァッジョ派の流れを組む明暗法(キアロスクーロ)を用い、精神性の深い自然主義的な作品を数多く手がけた。1565年カタルーニャに生まれ、おそらくバルセロナで修行した後、1581年(又は82年)からマドリッドへと移り、エル・エスコリアル宮やマドリッドの修道院などで作品を制作。その頃、同地で活躍していたツッカロ、ティバルディ、カンビアーソらイタリアから来たマニエリスム様式の画家や、スペイン人画家ナバレーテ・エル・ムード(唖のナバレーテ)らから影響を受ける。その為、リバルタ初期の作品には末期マニエリスム様式が色濃く示されている。少なくとも1599年以降からはバレンシアへ移ったことが記録に残っているほか、同地での作品制作から画家の大きな特徴である精神性を携えた深い明暗法を用いる自然主義的な表現が示されるようになった。以後バレンシアに定住したリバルタはアルヘメシ教区聖堂、コルプス・クリスティ学院、カルトゥッジオ会ポルタ・コエリ修道院など同地の大規模な作品を手がけ、1628年に死去。また史料は残されていないものの、画家の署名が残されるカラヴァッジョの模写がイタリアで発見されたことから、一部の研究者は1618年頃、リバルタがイタリアを訪れたと推測している。なお息子ファン・リバルタも父と同様に画家として活動した。
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