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作品イメージ
homeページCollection常設展示古典主義ジョルジュ・ド・ラ・トゥール (Georges de La Tour)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2008/02/20掲載
【全体図】
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妻に嘲笑されるヨブ (Job et sa femme) 17世紀前半と推測
145×97cm | 油彩・画布 | ヴォージュ県立美術館(エピルナ)

フランス古典主義の巨匠ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作『妻に嘲笑されるヨブ』。本作に描かれる主題は、旧約聖書のヨブ記に記される場面のひとつ≪妻に嘲笑されるヨブ≫である。ヨブ記の物語とは、神への高い信仰心や忠誠心を持っていたヨブは、「その信仰心は己の財産を守る為だ、財産を失えばヨブは神を呪うであろう」と悪魔から指摘された神からその信仰心を試されることになった。ヨブは悪魔の策略によって家畜(財産)を略奪され、さらに雷と大風で子供を失い、自身も全身に腫れ物ができてしまう。さらに妻からも醜い姿から見放されてしまう。ヨブのもとを訪れた友人らの慰めや忠告、勧告を受け入れず、ヨブは自分の正義を主張し、錯乱し始めた(神を疑い始めた)ものの、神からの啓示によって(又は友人らの助言を受け入れ)、謙虚に己の神への信仰を悔い改めると、神はヨブの病を癒し、以前よりさらに大きな幸福を与えた。とされている伝説的な逸話である。本作では(堆肥桶の上に座る)腫れ物ができたヨブに対して、妻が冷淡な視線で見つめながら、「お前をこのようにした神を呪って死ね」と罵詈を浴びせているが、妻が右手に持つ蝋燭の炎の神秘的な光によって、どこか厳格な宗教的儀式にも見える。また本作のヨブと妻の姿態の表現はドイツ・ルネサンス最大の巨人アルブレヒト・デューラーの同主題の作品からの引用も指摘されているほか、両者のシルエットによるアーチの形成や、(ヨブの見上げるような視線によって更に強調されている)妻の誇張気味な肉体的表現も、本作で特に注目すべき点のひとつである。なお本作は寸法や構成などの類似点から、画家の代表的作品のひとつ『蚤をとる女(蚤を探す女)』と関連する作品であるとの推測もされている。


【妻を見上げるヨブ】
妻を見上げるヨブ。本作に描かれる主題は、旧約聖書のヨブ記に記される場面のひとつ≪妻に嘲笑されるヨブ≫で、本作では(堆肥桶の上に座る)腫れ物ができたヨブに対して、妻が冷淡な視線で見つめながら、「お前をこのようにした神を呪って死ね」と罵詈を浴びせている。

【夫に対して罵詈を浴びせるヨブの妻】
夫に対して罵詈を浴びせるヨブの妻。本作のヨブと妻の姿態の表現はデューラーの同主題の作品からの引用も指摘されているほか、両者のシルエットによるアーチの形成や、(ヨブの見上げるような視線によって更に強調されている)妻の誇張気味な肉体的表現も、本作で特に注目すべき点のひとつである。

【蝋燭の炎の神秘的な光】
妻が右手に持つ蝋燭の炎の神秘的な光。この神秘的で特徴的な光によって、妻がヨブに対して嘲笑する場面が、どこか厳格な宗教的儀式をおこなっているかのようにも見えてくる。なお本作は寸法や構成などの類似点から『蚤をとる女(蚤を探す女)』と関連する作品であるとの推測もされている。

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