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作品イメージ
homeページCollection常設展示古典主義ジョルジュ・ド・ラ・トゥール (Georges de La Tour)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2008/02/01掲載
【全体図】
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老人 (Vieillard) 1616-1618年頃
91×60.5cm | 油彩・画布 | サンフランシスコ美術館

フランス古典主義の中でも特に重要な画家のひとりジョルジュ・ド・ラ・トゥールの対画作品『老人』。1949年にスイスで発見された本作は、発見当初は、ラ・トゥールへの帰属が疑問視されていたものの、現在では画家の現存する作品の中でも極めて初期の段階の代表作と考えられている。本作に描かれる主題や人物の意味・意図に関しては、古い北方の民衆劇の登場人物の中、傲慢な妻アリゾンに服従を強いられる弱気な夫ダンドンとする説など諸説唱えられているものの、いずれも確証を得るには至っていない。本作は構成的、表現的特徴や画面寸法の類似から、ほぼ間違い無く(本作同様)サンフランシスコ美術館が所蔵する『老婆(老婦、老女)』と対の作品であり、双方の作品を左右に並べると、両者(老人と老婆)の視線が自然と向き合い、そこにひとつの場面的状況が生まれる。人物の動作や姿勢から本場面の意味や意図をある程度は推測できるものの、それらを明確に示す決定的なアトリビュートは本作の老人が持つ非常に長い木の杖以外、一切示されていない。しかし若き画家が本作に表した、深い皺のよる老人の顔など圧倒的な写実的表現能力は観る者の目を奪う。さらに老人が穿く朱色のズボンや、そこに巻かれる黄色の巻脚絆(ゲートル)の強く鮮やかな色彩も特筆に値する。また、この老人の従順的な性格を感じさせる人物の心理的描写や、巨匠カラヴァッジョや、カラヴァッジョに影響を受けた北方の画家一派、所謂ユトレヒト派などに倣ったのであろう、強い光の描写による明暗対比によって劇的な感情を表現する手法なども、本作で注目すべき点である。なお本作は同時代の版画家カロの作品の人物との類似が指摘されている。

関連:対画 『老婆(老婦、老女)』


【深い皺のよる老人の顔】
深い皺のよる老人の顔。本作に描かれる主題に関しては、古い北方の民衆劇の登場人物の中、傲慢な妻アリゾンに服従を強いられる弱気な夫ダンドンとする説など諸説唱えられているものの、いずれも確証を得るには至っていない。

【老人が持つ非常に長い木の杖】
唯一のアトリビュート的要素である、老人が持つ非常に長い木の杖。本作は構成的、表現的特徴や画面寸法の類似から、ほぼ間違い無く(本作同様)サンフランシスコ美術館が所蔵する『老婆(老婦、老女)』と対の作品であり、双方の作品を左右に並べると、両者(老人と老婆)の視線が自然と向き合い、そこにひとつの場面的状況が生まれる。

【朱色のズボンの強く鮮やかな色彩】
老人が穿く朱色のズボンや、そこに巻かれる黄色の巻脚絆(ゲートル)の強く鮮やかな色彩。人物の動作や姿勢から本場面の意味や意図をある程度は推測できるものの、それらを明確に示す決定的なアトリビュートは本作の老人が持つ非常に長い木の杖以外、一切示されていない。

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