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homeページCollection常設展示ゴシック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ Gentile da Fabriano
1370/80-1427 | イタリア | 国際ゴシック

イタリアの国際ゴシック様式における最大の巨匠。繊細な線描による写実と、黄金色を始めとした多彩な色彩による画風の様式で、当時、最も人気を博した画家のひとりして活躍。後世の画家達に多大な影響を与えた。マルケに生を受け、ウンブリアかマルケで修行時代を送ったと考えられているが詳細は不明。ヴェネツィア、ブレーシア、フィレンツェ、シエナ、オルヴィエートを遍歴した後、ローマで没する。現存作品は約20点。またジェンティーレ・ダ・ファブリアーノは、ピサネッロヤコポ・ベッリーニ、ドメニコ・ヴェネツィアーノなど15世紀初期で最も重要視される画家を弟子としいていることや、フラ・アンジェリコに影響を与えていたことが研究から判明している。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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聖母子と聖ニコラウス、聖カタリナ 1390年代/1405年頃
(Madonna col Bambino, santi e un donatore)
131×113cm | テンペラ・板 | ベルリン国立美術館

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ初期の傑作『聖母子と聖ニコラウス、聖カタリナ』。ファブリアーノ市のサン・ニッコロ聖堂のために制作された本作は、玉座に鎮座する聖母マリアと幼子イエスを中心に、4世紀の聖人で、破産した貴族の娘3人の婚資を人知れず出し嫁がせた逸話が元でクリスマスと結び付けられるようになった聖ニコラウスと、聖痕と幼子イエスとの神秘的婚姻体験をおこなったされる4世紀の聖女カタリナ、そして寄進者が描かれており、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの繊細な細密描写による豊かで優雅な人物表現は、国際ゴシック様式の特徴を存分に示している。また大地に根付く2本の樹木からは奏楽の天使らがこの場面を見守っているが、このような表現は当時の様式からは逸脱しており、非常に稀な表現として注目を集めた。

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【全体図】
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東方三博士の礼拝 (Adorazione dei Magi) 1423年頃
173×220cm | テンペラ・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

イタリア最大の国際ゴシック様式の画家ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノが手がけた最高傑作『東方三博士の礼拝』。フィレンツェの有力貴族パッラ・ディ・ノフェーリ・ストロッツィの依頼により、サンタ・トリニタ聖堂にある同家の礼拝堂の祭壇画として制作された本作に描かれる主題は、神の子イエスの降誕を告げる新星を発見した東方の三人の王(一般的にはメルヒオール、カスパル、バルタザールとされる)が、エルサレムでヘロデ王にその出生地を聞いた後、星に導かれベツレヘムの地で幼子イエスを礼拝し、黄金、乳香、没薬の3つの贈り物を捧げる場面≪東方三博士の礼拝≫である。豪壮な外枠も当時の状態が保たれている本作では、画面左側に幼子イエスと聖母マリア、その夫聖ヨセフが、画面中央には礼拝に訪れた三博士が、画面右側には大勢の民衆が配されており、群衆の中には寄進者(依頼主)パッラ・ディ・ノフェーリ・ストロッツィとその息子ロレンツォの姿も確認できる。繊細な線描による高度な写実性、ネーデルランドなど北方絵画にも通じる豊潤で鮮やかな色彩、丸みを帯びた柔和な人物とその身に着ける衣服の表現などは本作の中でも特に注目すべき点のひとつであり、黄金色が多用された絢爛豪華な本作は当時、フィレンツェ市民を圧倒したと伝えられている。また画面上部には三博士の礼拝までの道のり(左部:イエスの降誕を告げる新星を発見した三博士一行、中央:ヘロデ王の宮殿に到着する三博士一行、右部:ベツレヘムの地に到着する三博士一行)が細密な描写によって描かれているほか、本作には馬や牛、駱駝、猿、鹿、豹、鳥など多様な動物も登場しており、これは当時、珍しい動物を収集する為に私設動物園まで保有していた諸侯らの時代的趣味が背景が反映されたと考えられている。画面下部のプレデッラ部分には≪キリスト礼拝(左部分)≫≪エジプトへの逃避(中央部分)≫≪キリストの神殿奉献(右部分)≫とイエス幼年期の物語から三場面が描かれている。

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