2007/08/02掲載
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牡丹と黒人の女性(La négresse aux pivoines) 1870年60×75cm | 油彩・画布 | ファーブル美術館(モンペリエ) 関連:ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵『牡丹と黒人女性』
花活けに没頭する黒人の女性。本作は黒人の女性が机上で花瓶に花を活ける姿を描いた風俗画的作品で、1868年以降の画家の作品にみられるアカデミー絵画への回帰の傾向を示した最も良例の作品のひとつとも言える。
【花活けに没頭する黒人の女性】 【色とりどりの花の高度な描写】
光沢のある花瓶の繊細な形状描写。バジールは本作を手がける少し前に同画題の作品『牡丹と黒人女性』を制作しているが、この最初のヴァージョンと比較してみると、花を活けるモデルの黒人女性の仕草や視線が、より自然な動作的印象を(本作を)観る者に与えるように考慮して描かれていることが分かる。
【光沢のある花瓶の繊細な形状描写】 |