2007/06/24掲載
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舞踏会にて(扇を持つ女性)(At the Ball) 1875年62×52cm | 油彩・画布 | マルモッタン美術館(パリ)
やや斜め方向に視線を傾ける女性。画家のアトリエで制作されたと考えられる本作は、当時、女性らが最も華やかに活躍できる場所のひとつであった≪舞踏会≫へ出かける、又は舞踏会から帰ってきた女性の姿を描いた作品である。
【やや斜め方向に視線を傾ける女性】
女性が左手に持つ扇。≪舞踏会≫や≪劇場≫という画題は他の印象派の画家らも描いているが、会場の雰囲気や様子なども表現しているのに対し、本作では、会場の様子やそれを示す要素が一切描写されておらず、そこに赴く(又はそこから帰宅する)女性に、とりわけ流行が反映する衣服に注目している。
【女性が左手に持つ扇】
金属的に光を反射する質の品の良いシルクのドレス。この女性の身に着けるドレスや手袋のシルクやレースの質感は、モリゾが会得した大胆なタッチと軽やかな白色によって見事に表現されており、本作からは舞踏会に赴く(又は帰宅後の)独特の緊張感や高揚感、雰囲気などをも感じることができる。
【質の品の良いシルクのドレス】 |