Description of a work (作品の解説)
2007/06/16掲載
Work figure (作品図)
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オダリスク(アルジェの女)


(Odalisque ou femme d'Alger) 1870年
69×123cm | 油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー

印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール初期の最も重要な作品のひとつ『オダリスク(アルジェの女)』。1870年のサロンに出品され入選した作品であり、『アルジェの女』とも呼ばれる本作は、当時恋人であったリーズ・トレオをモデルにオスマン帝国(現トルコ)スルタンの後宮で仕えた女官(女奴隷)≪オダリスク≫を描いた作品で、19世紀に愛好されたオリエンタリズム(東方趣味・東方的構造)的アプローチによって制作された作品である。ルノワールは色彩に天性の才能を発揮したロマン主義の偉大なる巨匠ウジェーヌ・ドラクロワが手がけた『アルジェの女たち』の類稀な色彩表現に強い感銘を受けており、本作にはその影響が如実に示されている。特に寝そべるオダリスクが身にまとう豪奢で異国情緒溢れる衣服の多様な色彩描写や、輝くような色彩表現は(画家独自の展開も見られるものの)ドラクロワの表現に類似しており、本作の制作は、後に画家が完成させる独自の多彩な色彩感覚や様式の形成に極めて重大な役割を果たした。その他にもオダリスクが浮かべる挑発的で色気漂うエロティックな表情や、ハーレムが醸し出す独特の東方的雰囲気の表現、軽快な筆触による闊達な筆遣いなども注目すべき点のひとつである。なお本作はサロンに出品された際、批評家や民衆から好評を得ているが、画家自身は1881年までアルジェ(アルジェリア最大の都市)に訪れたことはなかった。

関連:ウジェーヌ・ドラクロワ作 『アルジェの女たち』


【全体図】
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挑発的で色気漂うエロティックな表情。本作は当時恋人であったリーズ・トレオをモデルにオスマン帝国(現トルコ)スルタンの後宮で仕えた女官(女奴隷)≪オダリスク≫を描いた作品で、19世紀に愛好されたオリエンタリズム(東方趣味・東方的構造)的アプローチによって制作された作品である。



【挑発的で色気漂うエロティックな表情】
豪奢で異国情緒溢れる衣服の多様な色彩描写。本作にはドラクロワの『アルジェの女たち』の影響が如実に示されており、特に寝そべるオダリスクが身にまとう豪奢で異国情緒溢れる衣服の多様な色彩描写や、輝くような色彩表現は、後に画家が完成させる独自の多彩な色彩感覚や様式の形成に極めて重大な役割を果たした。



【異国情緒溢れる衣服の多様な色彩】
ハーレムが醸し出す独特の東方的雰囲気。オダリスクが浮かべる挑発的で色気漂うエロティックな表情や、ハーレムが醸し出す独特の東方的雰囲気の表現、軽快な筆触による闊達な筆遣いなども注目すべき点のひとつである。



【独特の東方的雰囲気】

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