2007/10/21掲載
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散歩道(プロムナード)(La promenade) 1870年81×65cm | 油彩・画布 | ポール・ゲッティ美術館 関連:『アルフレッド・シスレー夫妻の肖像』
女に手を差し出す流行の帽子を被った若い男。本作は若い男性と女性が戸外の散歩道を歩く情景を描いた作品で、しばしば(画家が本作を手がける2年程前に制作した)『アルフレッド・シスレー夫妻の肖像』などの作品との関係性が指摘されている。
【流行の帽子を被った若い男】
陽の光を全身に浴びている若い女。手を取り合う男女のカップルという画題が描かれる本作では、散歩道の坂道で、流行の帽子を被った若い男が少し前傾姿勢で、白いドレスを身に着ける若い女に手を差し出している情景が表現された。
【陽の光を全身に浴びている若い女】
輝くような白いドレスの陽光の反射。細かく闊達に動く筆触による印象主義的様式の強い描写によって表される、女性の白いドレスに反射する光の表現は、一見すると煩雑のようにも思えるが、輝くような陽光の反射の卓越した描写や、軽やかで質の良さそうなドレスの質感を見事に感じさせる。
【輝くような白いドレスの陽光の反射】
木々の間から差し込むことによって表れる斑点状の光と影。この光と影の表現も、画家の印象主義時代随一の代表作である『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』や『ぶらんこ』などに通ずる光の描写手法であり、特筆すべき点のひとつである。
【斑点状の光と影】 |