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糸紡ぎの籠を持つ女性 (Ritratto di dama) 1516年
76×54cm | Oil on panel | フィレンツェ,ウフィツィ美術館 |
この時代を代表する画家であったポントルモ制作による肖像画の最も初期の作品である『糸紡ぎの籠を持つ女性』。本作は長い間、画家の師であるアンドレア・デル・サルトの作とされてきたが、レオナルド・ダ・ヴィンチの手法≪スフマート(ぼかし技法)≫の筆致や深く描かれた眼窩、構図や対象人物の風貌などポントルモ的な特徴が顕著であることから、今日では同画家の作品として位置付けられている。また肖像画上の形態を考えると、本作はラファエロが描いた屈指の肖像画『ヴェールを被る婦人の肖像(ラ・ヴェラータ)』を手本としたものと研究されている。
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