2010/06/20掲載
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奴隷のいるオダリスク(Odalisque à l'esclave) 1839-40年 72×100cm | 油彩・画布 | フォッグ美術館
艶かしく恍惚としたオダリスク。アングルがパリの友人シャルル・マルコット・ダルジャントゥイユから1821年に依頼を受け、大凡20年の経過後、サロンでの酷評に失意し訪れた自身2度目の滞在となるローマで完成された本作は、当時の東方趣味の流行に基づいた≪オダリスク≫を主題とする裸婦作品である。
【艶かしく恍惚としたオダリスク】
楽器を奏でる召使の姿。前景として画面下部やや右側に両腕を頭部付近で組みながら寝そべるオダリスク(後宮の女性)が配されており、絶頂後の恍惚を思わせるような艶かしい表情や、柔らかく優美な姿態の曲線には眼を奪われるばかりであり、またオダリスクと対称的な位置に配される楽器を奏でる召使との着衣的な対比も秀逸である。
【楽器を奏でる召使の姿】
画面奥に描かれる黒人の臣下。本作ではオダリスクの足位置にオダリスクを囲う権力者を暗示させるかのように豪奢な帽子や衣服の一部が丹念に描き込まれていることは、そのまま我々が作品を目にする視点が権力者(サルタン)の視点であるという解釈もおこなうことができる。
【画面奥に描かれる黒人の臣下】 |