Description of a work (作品の解説)
2006/03/29掲載
Work figure (作品図)
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マニフィカトの聖母

 (Madonna del Magnificat) 1483-85年頃
直径118cm | テンペラ・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

ルネサンス期に制作されたトンド(円形)形式の中で、巨匠ミケランジェロの『トンド・ドーニ』と共に、最も有名な作品として人々に広く認知されているフィレンツェ派の画家ボッティチェリの代表作『マニフィカトの聖母』。作品中で開かれる書物に聖母マリアを称え誉める歌≪マリア頌歌≫、通称≪マニフェカト≫が記されることから作品の題名となり『マニフィカトの聖母』と呼ばれるようになった本作は、1784年に当時の所持者であったオッターヴィオ・マゲリーニよりウフィツィ美術館が購入し同美術館の所蔵となった経緯を持ち、ボッティチェリの聖母子像の代表的な作例である『書物の聖母』と『柘榴の聖母』における表現手法の高い融合性を示している。本作で用いられる卵形をした聖母マリアの穏やかで慈愛と優しさに満ちた表情は『書物の聖母』に見られるそれと大変酷似しており、場面の空間構成や各天使たちの表情、繊細で豊かな色彩は『柘榴の聖母』の表現手法を強く感じさせる。このようにボッティチェリの典型的な特徴が随所に示される本作の表現には師である画僧フィリッポ・リッピの影響が指摘されているも、金を用いた豪華な表現や牧歌的な遠景表現など画家の成熟した独自性を感じることができる。


【全体図】
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穏やかで慈愛と優しさに満ちた聖母マリアの表情。画家の代表作となる本作は、ルネサンス期に制作されたトンド(円形)形式の中で、巨匠ミケランジェロの『トンド・ドーニ』と共に、最も有名な作品として人々に広く認知されている。



【穏やかで慈愛に満ちた聖母マリア】
柘榴を手にし聖母マリアを見上げる幼子イエス。本作で用いられる卵形をした聖母マリアの穏やかで慈愛と優しさに満ちた表情は『書物の聖母』に見られるそれと大変酷似しており、場面の空間構成や各天使たちの表情、繊細で豊かな色彩は『柘榴の聖母』の表現手法を強く感じさせる。



【聖母マリアを見上げる幼子イエス】
本作中で開かれる書物に聖母マリアを称え誉める歌≪マリア頌歌≫、通称≪マニフェカト≫が記されることから『マニフィカトの聖母』と呼ばれるようになった。また本作は1784年に当時の所持者であったオッターヴィオ・マゲリーニよりウフィツィ美術館が購入し同美術館の所蔵となった経緯を持つ。



【≪マリア頌歌≫が記される書物】

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