2004/09/12掲載
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シテール島への巡礼≪雅やかな宴≫(Pelerinage a l'isle de Cythere)1717年 129×194cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ) 関連:シャルロッテンブルク城所蔵 『シテール島への船出』
雅宴画(フェート・ギャラント)と呼ばれた、男女が野外で楽しむ雅やかな愛の宴の情景。本作は、巡礼へ向かう場面なのか、帰還した場面を描いたものなのか現在も議論は続いているも、近年マイケル・リヴィの論文により、ヴァトーはシテール島から離島する場面を描いたとする説が有力視されている。
【男女が野外で楽しむ雅やかな愛の宴】
本作には海の泡から生まれた愛の女神ヴィーナスが流れ着いた伝説が残されることから、独身者が巡礼をおこなえば必ず好伴侶が見つかるという、ギリシア近郊、地中海の島≪シテール島(キュテラ島)≫へ若い男女らが巡礼をおこない、そこから離島する情景が描かれているとされている。
【愛を求め旅に出る一行】
雅宴の画家として知られるヴァトーだが、その作品では市民的な愛の理想が強調されている。その理想は当時の市民階級がおかれていた状況に呼応して、宮廷や貴族文化の諸規範とも複雑に結びついていた。
【愛の象徴である天使】 【愛の女神ヴィーナス像】 |