2009/09/09掲載
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馬に食われるディオメデス(Diomède décoré par ses chevaux) 1865年 138.5×84.5cm | 油彩・画布 | ルーアン美術館
悶絶しながら助けを請うディオメデスの姿。本作はギリシア神話最大の英雄≪ヘラクレス≫がおこなった12功業の8番目≪馬に食われるディオメデス≫を主題に制作された作品で、画面中央に配されるディオメデスは己が育てた馬に腕を噛まれ悶絶しながら助けを請うような仕草や表情を見せている。
【助けを請うディオメデスの姿】
狂々とした瞳の人喰い馬。本作に描かれる主題≪馬に食われるディオメデス≫旅人を捕らえ己が育成した四頭の人喰い馬へ与えていたトラキア王ディオメデスが、ヘラクレスの策略によって自らが人喰い馬に食い殺されるという逸話で、本場面は四頭の人喰い馬に食われるディオメデスの姿が大きく扱われている。
【狂々とした瞳の人喰い馬】
本場面を傍観するヘラクレスの姿。己の馬によって食い殺されるディオメデスの姿を一段高い場所からヘラクレスが傍観的に眺める姿が画面左上に描き込まれている本作の荒々しい人喰い馬の描写には馬を得意としていたロマン主義の巨匠テオドール・ジェリコーの影響が指摘されている。
【本場面を傍観するヘラクレスの姿】 |