2004/09/01掲載
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裸のマハ(La Maja Desude) 1798-1800年頃97×190cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド) 関連:フランシスコ・デ・ゴヤ作 『着衣のマハ』
挑発的に観る者と視線を交わらせる独特の表情。本作はバロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスの『鏡のヴィーナス』と共に厳格なカトリック国家で、神話画を含む如何なる作品であれ裸体表現に極めて厳しかったフェリペ4世統治下のスペインにおいて制作された非常に希少な裸婦像作品である。
【挑発的に観者と視線を交わらせる表情】
横たわるマハの丸みを帯びた女性的肉体の曲線美。挑発的に観る者と視線を交わらせる独特の表情や、赤みを帯びた頬、マハの女性的肉体の曲線美や、単純ながら心地よい緩やかなリズムを刻む画面への配置などはゴヤの洗練された美への探究心と創造力を感じさせ、自然主義的な観点による豊潤で濃密な官能的裸婦表現の美と位置付けられる。
【横たわるマハの丸みを帯びた曲線美】
計算された光源によって柔らかく輝きを帯びた肢体。本作のモデルについては古くから論争が絶えず、諸説唱えられているが、現在ではアルバ公爵夫人マリア・デル・ピラール・カイェタナとする説、宰相ゴドイの愛人ペピータとする説、ゴヤの友人で神父バビが寵愛していた女性とする説などが有力視されている。
【計算された光源による光の表現】 |