Description of a work (作品の解説)
2008/10/06掲載
Work figure (作品図)
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セザンヌ礼賛(セザンヌ頌)


(Hommage à Cézanne) 1900-1901年頃
180×240cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

ナビ派を代表する画家モーリス・ドニの最重要作品のひとつ『セザンヌ礼賛(セザンヌ頌)』。本作は近代絵画の父ポール・セザンヌの静物画『果物入れ、グラス、林檎のある静物』を議論・称賛する画家たち(信望者たち)を描いた一種の集団肖像画である。セザンヌ最初の個展が開催されたヴォラールの画廊を舞台とした画面の中央やや左に配される静物画を中心に、左端にはモーリス・ドニが敬愛の念を抱いていたオディロン・ルドンが、静物画のすぐ右側にはポール・ゴーギャンが描かれており、互いが意見を交わしている様子である。さらにその奥にはポール・セリュジエピエール・ボナールエドゥアール・ヴュイヤール、マイヨール、フェリックス・ヴァロットンなどナビ派の画家たちが取り囲むように配されている。モーリス・ドニは本作の完成後、セザンヌ宛に以下のような手紙を送っている。「ここには貴方への称賛があります。ここには貴方に啓発された若い画家たちの情熱があります。無論、私もその一員ですし、私たちは絵画について知る全ての知識を貴方から学んだのですから、当然、貴方の弟子と呼ばせていただけるでしょう。」。本作は画題として『セザンヌへの礼賛』と掲げられているが、セザンヌのみならずポン=タヴェン派を始め若い画家たちの指導者的存在であったゴーギャンや、彼ら(ゴーギャンやナビ派の画家たち)とは一線を画し独自的な作品展開をしていた巨匠オディロン・ルドンが配されていることからもわかるよう、そこには些か強引ではあるがセザンヌが切り開いた後期印象派以降のフランス近代絵画の流れの理論的な形態化とそれへの賛辞が込められている。

関連:セザンヌ作 『果物入れ、グラス、林檎のある静物』


【全体図】
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群衆の中央に置かれるセザンヌの静物画。本作は後期印象派の巨匠であり近代絵画の父としても知られるポール・セザンヌの静物画『果物入れ、グラス、林檎のある静物』を議論・称賛する画家たち(信望者たち)を描いた一種の集団肖像画である。



【中央に置かれるセザンヌの静物画】
画家が敬愛の念を抱いていたオディロン・ルドンの姿。セザンヌの静物画を中心に、左端にはモーリス・ドニが敬愛の念を抱いていたオディロン・ルドンが、静物画のすぐ右側にはポール・ゴーギャンが描かれており、互いが意見を交わしている様子である。



【画家が敬愛していたルドンの姿】
静物画について意見するゴーギャン。本作は画題として『セザンヌへの礼賛』と掲げられているものの、そこには些か強引ではあるがセザンヌが切り開いた後期印象派以降のフランス近代絵画の流れの理論的な形態化とそれへの賛辞が込められている。



【静物画について意見するゴーギャン

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