2008/05/08掲載
■
ダナエ(Danae) 1907-08年77×83cm | 油彩・画布 | 個人所蔵(グラーツ)
頬が紅潮し恍惚の表情を浮かべるダナエの姿。ダナエはユピテルの激しく至福的な愛撫を受け、頬は紅潮し恍惚の表情を浮かべており、あまりの快楽ゆえなのだろうか、右手は胸部(乳房)へと置かれ、己の敏感になった感覚を掻き毟るかのように爪を立てている。
【恍惚の表情を浮かべるダナエ】 ダナエの股間部へと流れ込む主神ユピテル。ほぼ正方形の画面の中へ蹲るような姿態で描かれる本作のダナエの股間部に、まるで精子を思わせるような円と線、そして鉤状の形をした黄金の雨に姿を変えた主神ユピテルが流れ込んでおり、その情景はあたかも主神ユピテルによるダナエへの愛撫を連想させる。
【股間部へと流れ込む主神ユピテル】
薄透した黒布の装飾的な文様。ダナエの姿態の大部分を占める大きな左大腿部で隠れてはいるが、ダナエの左手は性器へと向けられているかのようであり、古くから本作のダナエは自慰行為をおこなっているとの指摘がされている。
【薄透した黒布の装飾的な文様】 |