2009/07/28掲載
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聖セバスティアヌス(矢を射かけられる)(Saint Sébastien) 1875年頃 108×138cm | 油彩・画布 | ギュスターヴ・モロー美術館 関連:1869年 『聖セバスティアヌス』 関連:1876年頃 『聖セバスティアヌスと天使』 関連:1876年頃 『殉教者に叙せられる聖セバスティアヌス』
十字架を掲げる聖セバスティアヌス。画面左側に配される聖セバスティアヌスは矢に射られながらも右手に持った十字架を高らかと掲げ、主イエスの正当性を主張している。この姿態は1865年に制作されたモロー初期の代表作『イアソン』の姿態を踏襲しており、この刑に対する勝利の意図を含ませている。
【十字架を掲げる聖セバスティアヌス】
処刑場に集うローマ兵士たち。本作は、ガリア(ローマの属州)出身のローマ兵士で、己がキリスト教徒であることが発覚してしまい皇帝から死刑を宣告された≪聖セバスティアヌス≫を主題に制作された作品で、画家は本作以外にも習作・水彩・油彩などで同主題の作品を数多く手がけている。
【処刑場に集うローマ兵士たち】 【空想的場面構成】 |