Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us
home Information Collection Data Communication
Collectionコレクション
homeページCollection常設展示古典主義
Introduction of an artist(アーティスト紹介)
画家人物像

ジャン・ジュヴネ Jean-Baptiste Jouvenet
1644-1717 | フランス | 古典主義

フランス古典主義時代の画家。厳格な古典主義的表現に基づきながら劇的で運動性に富んだ宗教画や装飾画、神話画などを制作。17世紀末から18世紀初頭にかけてフランス絵画の第一人者として活躍した。また高い写実性を保ちながら謹厳で抑制的な表現による優れた肖像画も残している。1644年、ルーアンの美術家一族に生まれ、父に絵画を学んだ後、パリに赴く。同地では当時、第一線で活躍していたシャルル・ル・ブランに師事し、ニコラ・プッサンの古典様式とイタリア・バロック様式を融合させたフランス宮廷独自の芸術様式、特に豊潤で演劇性の高い構成やプッサンの堅牢で規範的な古典主義様式を会得。1675年には王立絵画・彫刻アカデミーに入る。初期には主に装飾画などを手がけるも、ジュヴネの前世代の大画家たち(師ル・ブランミニャール)などの晩年以降は、祭壇画などの宗教画や、実力者からの依頼によるヴェルサイユ宮など大規模な装飾画を手がけるようになった。またジュヴネがウスターシュ・ル・シュウール同様、当時最も芸術が発展し、流行の最先端であったイタリアを来訪せずに、国内で大成した画家のひとりであることは注目すべき点のひとつである。1717年、パリで死去。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
拡大表示
十字架降下 (Descente de croix) 1697年
424×312cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

フランス古典主義の画家ジャン・ジュヴネが手がけた宗教画の中でも特に著名な代表作『十字架降下』。パリのルイ=ル=グラン広場にあるカプチン会修道院のために制作された本作に描かれる主題は、自ら王と名乗りエルサレムの民を惑わせたとして、エルサレム郊外のゴルゴタの丘で二人の盗人と共に磔刑に処され死した受難者イエスの亡骸がアリマタヤのヨセフやニコモデらによって降ろされるという、新約聖書に記される主イエスの生涯の中でも特に重要かつ最も感動に溢れる場面≪十字架降下≫で、ダイナミックな画面展開の中で如実に表される、受難者イエスの痛々しく生々しい死した肉体は、観る者の視線を否が応にも惹きつけさせる。イエスの亡骸は絶望的かつ絶対的な死を顕示するかのように、力なく四肢を垂らすように描写され、その極めて写実的で残虐的な表現は、観る者に受難者イエスが受けた(人間に対する)苦悶や苦痛を強く共感させる。本作では≪十字架降下≫を描いた古典的な作品に示される受難者、そして神の子イエスの(三位一体の一位としての)聖性の表現は影を潜め、この様に圧倒的かつ絶対的な死の存在を明確に(かつ写実的に)描写することによって、受難者イエスの悲愴的でありながら、深い精神性や敬虔性を表現しているのである。またその他の点においても、受難者イエスの亡骸を十字架から降ろす人々や骸布を広げるアリマタヤのヨセフやニコモデの渦巻くような力動的な運動性や、画面右部の暗中に薄く浮かび上がる聖母マリアの悲しみに満ちた表情など本作には見所が多い。

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
ラザロの蘇生 (Reacute;surrection de Lazare) 1706年
388×664cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

フランス古典主義の画家ジャン・ジュヴネ随一の大作『ラザロの蘇生』。パリのサン=マルタン=デ=シャン聖堂のために制作された複数枚の大画面作品の中のひとつである本作に描かれる主題は、ユダヤ近郊に居住していたベタニア人姉妹マルタとマリアの弟ラザロが病に倒れたとの知らせを受け、主イエスが弟子の制止を聞かずラザロの許へ向かうも、主イエスが着いたときにはラザロは死して四日経っていたが、到着した主イエスが墓石を移動し、腐敗したラザロに呼びかけると、全身を布で包まれたラザロが蘇生し墓から出てきたとされる、神の子イエスによる死者の蘇生の奇蹟の中で最も重要な逸話のひとつ≪ラザロの蘇生≫である。画面右上から左下へとほぼ対角線上に配される登場人物は各々が演劇的な姿態を示しており、本場面の奇跡的蘇生の驚愕を見事に表している。画面中央では端整に描かれた主イエスが死して全身を布で包まれたラザロに手を向け呼びかけている。それに呼応するように画面左下部分では腐敗したラザロが蘇生し起き上がる姿や、蘇生を目撃し驚く男たちや腐敗臭に顔を背ける男が描かれている。また主イエスの直ぐ隣にはラザロの姉妹マルタとマリアが弟の救いを乞う姿が描かれるほか、それらの周囲に集まる民衆がこの一連の出来事を目撃し、驚きと戸惑いの仕草を見せている。各登場人物の的確で芸術性の高い宮廷が好む独自の描写は見事の一言であり、大画面による場面展開や表現が観る者を圧倒する。

解説の続きはコチラ

Copyright (C) Salvastyle.com - ++ All Rights Reserved.