【イサクをささげようとするアブラハム:創世記
20-22章】
◆イシュマエル
アブラハムとその妻サラには子供が産まれなかった。妻サラは剣呑の思いで従者ハガルに、アブラハムと交わり彼の子孫を授かるよう指示する。アブラハムは妻以外の者と交わることなどと一度は拒否するものの、妻の願いを受け入れ従者ハガルとの間にイシュマエルを授かる。
(旧約聖書の伝承ではイシュマエルがアラブ人の先祖とされる)
◆受胎予言
二人が高齢となったある時、三人の天使が訪れ、アブラハムとサラは手厚くもてなす。天使らは神の意志(予言)を二人に伝える。「天を仰ぎ、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。あなたの子孫はこのようになる」と。高齢であったサラは密かに笑うが、神にそれを問われると、急いで否定した。
◆イサクの犠牲
予言どおり、アブラハムとサラの間に待望の男子が産まれた。名をイサク(笑いの意)と付けられ、従者ハガルと異母兄イシュマエルの間に多少のいざこざがあったが、アブラハム一家は幸せに暮らしていた。しかし神は残酷にも息子イサクを山上で焼き、神に捧げよとアブラハムに命じる。アブラハムは迷い苦しむものの、息子イサクを山上へ連れてゆく決意を固める。山上へ旅立つアブラハムと息子イサク。アブラハムは牡羊をつれ、息子イサクは薪を背負っていた。山上へ到着した後、覚悟を決めたアブラハムは祭壇上で息子イサクの喉元へ小刀を当てる。息子イサクも自分が犠牲であることを悟ったが抗わなかった。が、次の瞬間、神の言葉が響く。「お前が神を恐れる者であることがわかった」。そして神はアブラハムを祝福する。「お前の子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る」と。その後、アブラハムとイサクは祭壇に薪をくべ、牡羊を捧げた。
薪を背負う息子イサクの姿は、十字架を担うキリストの予告とされている。
■アトリビュート: |