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ガレリア・ファルネーゼ天井装飾画 1597-1600年頃
(Fratelli di Catania)
2014×659cm | フレスコ | パラツィオ・ファルネーゼ(ローマ) |
アンニーバレ・カラッチ最大の傑作『ガレリア・ファルネーゼ天井装飾画』。この古典主義的天井画の到来を告げたバロック絵画を代表する本作は、オドアルド・ファルネーゼ枢機卿の依頼によりパラツィオ・ファルネーゼの装飾画として描かれた作品で構成される数々の場面を通し全体で≪神の愛≫を賛歌し表現したものである。その表現は同時期に『聖マタイの召命』を始めとする連作を描きあげたカラヴァッジョの表現とは対極に位置し、軽快かつ陽気で色彩豊かな華麗な表現を見せている。これはミケランジェロによるシスティーナ礼拝堂天井画やラファエロのガラディアの勝利に代表される古典様式、ティツィアーノやコレッジョのパルマ大聖堂天井画における色彩や構図等と、壮麗なバロック様式との融合を意味しており、17世紀美術の基盤ともなった。
関連:『バッコスとアリアドネの凱旋』部分
関連:『パンとディアナ』部分
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