2010/07/09掲載
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神秘の花(Fleur mystique) 1890年頃253×137cm | 油彩・画布 | ギュスターヴ・モロー美術館 【十字架を掲げる聖母マリア】
聖母の頭上に現れる聖霊。本作の画面上部中央には、聖母マリアの象徴であり純潔を意味する白百合の玉座に座りながら十字架を掲げる聖母マリアが凛とした堂々たる姿で配されており、その頭上(聖母マリアの左上付近)には父なる神と一体として考えられる聖霊(白鳩)が描き込まれている。
【聖母の頭上に現れる聖霊】
巨大な白百合の玉座。聖母マリアが座する玉座の白百合の茎を地面へと辿るとキリスト教の教理に殉じた幾多の聖人(殉教者)たちが細々と描かれており、この花咲く玉座の白百合が殉教者たちを生命の糧としていることを表している。
【巨大な白百合の玉座】 玉座の糧となる殉教者たち。本作は一般的に死してなお巨大な白百合として神(白鳩の姿で描かれる聖霊や神の子イエスを宿す器たる聖母マリア=神の母)と共に在るという≪キリスト教(カトリック)の勝利≫と解釈される。
【玉座の糧となる殉教者たち】 |